2011年6月10日

逃げないでここまでやってきてよかった

この間のビデオを編集してもらってyoutubeにアップしました。

再生中に読んでもらえると思うので、最近読んだニュースサイトで感銘を受けたもの
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110527/220278/?P=2
無料の会員登録が必要みたいですが、日経の関係のページですしぜひ。

松嶋さんという僕と同じ年でフランスにも東京にもミシュランで星がついているレストランを経営している人の話。

彼の作る料理は「フランス料理」なんだって。
「俺料理」ではないんだと。


僕は僕で、日本の人や風土の好みとは違ったとは思うけど、ずっとキューバ音楽をやってきた。

本場で本場の国民がやるのではない場合、フランス料理にしてもキューバ音楽にしても
「これがそうなんです」といい続けることはほんとにしんどいことだ。

日本人らしく、日本人である私らしく、っていうものの方が日本ではもてはやされるけれど、
そこには追従しないで、自分が決めた路線をしんどくても守っていくのは、つらいこともある。

でも、自分が尊敬している文化への愛があるから、うそはつけないし、
お世話になった恩もあるから、裏切れない。
曲げられないものっていうのがたくさんあるんだ。

僕はメキシコに来てから、ちょっとの間だけ、遠慮もあって、
自分はラテン音楽をやっています、ってそっちを先に言ってしまうこともあった。

なかなか、遠慮もあって、キューバ音楽って言い出しにくいと思っていたけど、
今では現代キューバ音楽をここでももっと聴いてもらおうという本来の活動に戻っている。

ここメキシコはキューバとは隣だし、僕のピアノはここの誰がどのように聴いても
キューバ音楽にしか聴こえないようだ。それはそうだよね、数百年の歴史でお隣同士。
ずっとその文化を隣で見ていた国の国民なのだから。

アメリカの会社に今回のCDを配給してもらうときも、リリースノートに
なんと書くかすごく迷って、迷いに迷ってはっきりキューバ音楽と書いたのだった。

いくらアメリカとキューバの情勢が微妙でも、そんなことくらいで自分の文化的な
スタンスを変えるわけには行かないなと、原則を貫いたんだ。

おととしのジャズフェスで証明してきたことだけど、確かに日本の人や風土の好みとは
違ったところもエルマノスの音楽にはあるけれど、ふつうのキューバ音楽として
本場のキューバにあっても、すごく良い水準を持っている音楽。

僕はこれまで自分流にキューバ音楽を崩すということを一切してこなかった。

自分にとってはもっと楽な方法は他にあったけれど、キューバ音楽をやるっていうことを
優先していろいろなことを我慢したこともあった。難しい音楽だったし、たいへんだった。

そして、エルマノスの音楽は東京にあってキューバ音楽の最前線を歩くということを
テーマにして3年半活動した。

僕にとっては、ずっと追いかけてきたキューバ音楽の最前線を初めて歩くという経験を、
Ludwigくんはバンボレオ時代10年間歩いてきた最前線でもあり、
それを一緒に歩むことにしたんだった。

そして、僕は来週キューバに移ります。

そこではキューバ音楽の現在のもっと先にチャレンジしてきます。
まだキューバにないキューバ音楽を持ち込もうとここで準備してました。
自分にとって新しいだけでなく、キューバ音楽にとって新しいもの。

この音楽はちゃんと現在のキューバ音楽としてOKですか?とたずねるのではなくて、
こういう音楽が今後のキューバ音楽になると思うのですが、どうですか?って。

でも、それは自分流に崩すこととはちがう。
もっともキューバ音楽らしくやってきたのだから、それが自分の強力なアイデンティティになった。

まだはじまってもいないことで、何がどのようにできるかなんて何もわからないけど
自分のやってきたキューバ音楽とともに、もっと進めるといいなと、進んでまいります。

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