キューバでの活動日記


キューバにはノアスタジオのような貸しスタジオはありません。
楽器を借りるのもドラムセットやピアノはとても難しいです。
いろいろなことがとても難しくても、強く願うとそれがかなってしまうのもキューバの一面です。
ルディくんのお父さんは、ImpactというバンドのPA屋さん(サウンドエンジニア)です。
昔は80年代後半にアメリカに移住してしまう前のHoracio el Negro Hernandezが在籍していました。
長くこの仕事をやっているので、そのバンドの仲間はもちろんのこと
ご同業であるメジャーバンドのPA屋さんも彼を慕って仕事が終わるとおしゃべりをしに
日々いろいろな人が家を訪ねてきます。
そして、のりがリハをしたいことを相談すると、そこに集まったみんなが喜んで協力してくれることになりました。
その日はメインPAオペレーターはLos Van VanのPAチームより、マノリートさんが
買って出てくれました。電気楽器の機材はキューバでとても不足しているにもかかわらず
仲間と協力してかき集めてくれたそうで、機材は古いけれども
なんとか問題をクリアしようと丁寧にメンテされたものが揃っていて音がきちんと出るところまで
準備が整っていました。
日本でリハをするときは、電車や自分で運転する車に乗っていって、
自分で楽器を運んでセッティングをしてそれからやっとリハができるのですが、
(始める前にかなり疲れてしまう)
キューバではまだ何の実績もないエルマノスではありましたが、
タクシーでスタジオに入って、楽器はぜんぶ用意しておいてもらえるし、荷物も運んでもらえて、
ミュージシャンのすることは演奏だけです。
キューバではミュージシャンの地位がとても高いのだと再認識したのと同時に、
演奏に集中して、いい準備をしようという自覚も生まれるし、
結果的にとても集中できるのでとてもいいリハができました。
だって、そこまで一生懸命準備をしてくれたスタッフに恥ずかしくないいいリハをしないと
申し訳ないとこころから思えるほど、感謝していました。
中でもPAのオペレートをプロにやっていただけるのがとてもうれしかったです。
まして、Los Van Vanと一緒にやっているプロ中のプロ。
一流のPA屋さんは、彼に何も用事を思いつかないところが素晴らしい。
何か注文を思いつく前に、ぜんぶ先に調整してくれてしまっているので
サウンドの問題点をミュージシャンは何も気がつくことができないんです。
思えば、PA屋さんに用事があるときというのは、いつも問題があるとき。
挨拶以外ではろくな用事で呼んだり話しかけたりしていなかった気がします。
マノリートさんは控えめで目立たないのだけど、見えないところできっちり仕事をしてくれる
それが垣間見えるのが、この写真(右)。
一番後ろで控えめに小さく写っているのがマノリートさん。
すっかりこの日以来のりと意気投合して、エルマノスのキューバでの活動に
乗り込みオペレーターとして帯同してもらうことに決めました。
他にも、この日はチャランガアバネーラのPA屋さんもお手伝いに来てくれました。
そして、どこから来たのか、若い学生の見学者もいたりして、とても豪華なリハでした。