2008年11月10日

TIMBAってなんですか?

チラシを配ってるときに何名かの方に聞かれました。

TIMBAってなに?

サルサダンサーの方たちは、このジャンルの音楽のことを
キューバンサルサって言うので、そういう説明をしたら、
なるほどーとか、そうならそう書けばいいのに。。。いろいろな反応でした。

続きは長いですが、よろしければどうぞ。

もともと、サルサの起源になった音楽はSON-MONTUNOというスタイルの音楽で
キューバ発祥ではありましたが、パンアメリカーノ的に(北米・中南米全土で)流行っていたようです。

ソン・モントゥーノって現代人はキューバの伝統ソンと区別して考える人もほとんどいませんが、
昔はモントゥーノがあるソン、ないソン、が区別されていました。

モントゥーノっていうのは、スペイン語で「山の」くらいの意味ですが、
のり3は転じて、曲の山場で盛り上がるところ、って理解してます。
ソンはほんとに昔の昔は、「うた」とか「曲」以上の意味はなくて、
1曲しっとり歌って、しっとり踊っておしまい、という曲も多かったようです。

そして、しっとり歌った区間のあと、ガーンと盛り上げて
おしりを振りながら踊れる区間を作ったら、(これがモントゥーノ)

あまりにも流行ったので、今ではキューバの伝統ソンのほとんどの曲は後半盛り上げて
テンポを上げるスタイルで演奏しているので、現代人は区別をしないのかもです。
歴史を調べるときにしか、出てこない言葉ですからね。


そして、サルサという言葉自体は、「ソース」くらいの意味ですので、
うたのアドリブに「味がする音楽!」的な意味で使われることもありましたが、
世界のみんなが意識するようになったのは1970年代にファニアオールスターズが
ニューヨークで流行ったころからという説が有力です。
そして、サウンドの近代化が進み、伝統的なソン・モントゥーノは
想像でしかないですが、社交ダンスのルンバのスタイルに残されているように感じます。

その頃は、キューバ社会主義政権に時代が変わっていて、人の出入りと交流が
キューバだけ取り残されたような感じになり、
それ以外の地域で「サルサ」の大流行や発展にはあまり関係なく、キューバ国内で別の発展をしました。

それが1990年代頃から、キューバの外貨獲得政策のために観光に力を入れたり
音楽をCDやコンサートの形で輸出しようとするようになり、再びキューバの
ちょっと変わったサルサ(でも、キューバ人はそれをソンの発展だと考えていた)が
再び全アメリカ的に聴かれるように少しずつなってきました。

90年代にキューバで流行っていたバンドはNG la BandaやLos Van Vanを
まず筆頭に上げておきたいですが、90年代後半にはNGではTIMBAという用語が
すでに使われていました。


90年代後半当時、誰が聴いても思ったことですが、
普通のサルサと、キューバのリズムが変わってるサルサの2種類に分かれた感じがしていて

外国から見た外からの視点だと、それをキューバのサルサ、「キューバンサルサ」と呼んだのでしょう

一方、キューバ国内で演奏していたミュージシャンは、自分たちの音楽を普通のサルサとは
明確に区別しようという動きがあって、NGがTIMBAと名乗ったり、Los Van Vanはもっと昔から
使っていましたが、SONGOというスタイルを名乗ったり、SALSA DURA(ハードサルサ)と呼ぶバンドもいました。

ここ5年くらいは、キューバのリズムの変わったサルサはTIMBAという呼び名に統一されつつ
あったものの、その音楽はどんどん中南米で受け入れられていって、交流が10年以上
続いてきました。そういうわけで、サルサを踊る人はどちらも聴くし、
どちらも同じように普通に踊ってしまうという現象が生まれてきたのが最近のことです。
今ではラテンディスコでは日本・外国問わず、たいていどちらもかかるようです。


一方で、音楽の演奏上はTIMBAと普通のサルサはリズムが変わっているだけあって
かなり違いがあります。

どちらもサルサ(ソース)には変わりはありませんが、味噌と醤油くらいには違いがあると思います。
どちらもしょっぱい味で、料理に入れたら食べる人はどっちがどっちなんてあまり考えないけど、
味噌と醤油はやはり、調味料として違いが料理人にとってはあるのに例えてみました。


この場合、味噌がサルサで、醤油がTIMBAです。


味噌はたいていの料理でそれだけのシンプルな味付けで料理されることが多いです。
みそ汁、マグロの味噌漬けなどなど。。。味噌はそれだけで美味しいくらいの方がいいですね。

醤油はそれだけ刺身につけていただくときもありますが、
カレーに隠し味で入れたり、マヨネーズに混ぜたりしても美味しいです。
ポン酢という調味料もあるくらいで。
みりんや砂糖と一緒に煮込まれることも多いし、ミックスされて料理されることも多い。

エルマノスの解釈ではこんなTIMBAの捉え方をしています。
いろいろな音楽にミックスしていきたい大元のリズムやグルーブの正体をTIMBAと呼んでいます。
今年はラテンジャズにたくさんTIMBAを取り込みました。

だから、やっぱりこれがそういうリズム、と楽譜に書いて説明することはできないです。
こうだと書いてしまうと、正体でなくなってしまいますから。姿勢や考え方のスタイルなのです。

その先輩ミュージシャンたちが歩んできた歴史に敬意を払いつつ、
自分ができることはもっとミックスして発展させること、というのが今の姿勢です。
サルサとTIMBAは今では対立する存在ではなくなりました。

サルサをサルサらしく演奏することは、今後エルマノスは減っていくかもしれませんが、
サルサを踊りたい人の気持ち、音楽を座って聴いて楽しみたい人の気持ち
どちらも最大に大切にして、音楽のスタイルとしても発展させるように頑張っていきます。

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